ダイオードの種類
- PNダイオード (PN Diode)
- 半導体のPN接合の整流性を利用する、基本的な半導体ダイオードである。詳しくはPN接合の項を参照のこと。
- ショットキーバリアダイオード (Schottky Barrier Diode)
- 金属と半導体との接合面のショットキー効果の整流作用を利用している。順方向の電圧降下が低く、逆回復時間が短いため、高周波の整流に適する。一般的に漏れ電流が多く、サージ耐力が低い。これらの欠点を改善した品種も製作されている。
- 定電圧ダイオード (Reference Diode)(ツェナーダイオード (Zener Diode))
- 逆方向電圧をかけた場合、ある電圧でツェナー降伏またはなだれ降伏が起き、電流にかかわらず一定の電圧が得られる性質を利用するもの。電圧の基準として用いられる。添加する不純物の種類・濃度により降伏電圧(破壊電圧)が決まる。なお、順方向特性は通常のダイオードとほぼ同等。
- 定電流ダイオード(CRD, Current Regulative Diode)
- 順方向電圧をかけた場合、電圧にかかわらず、一定の電流が得られる様にしたもの。通常品は1mA~15mAの範囲の電流容量である。名称こそダイオードとなっているが、構造・動作原理ともむしろ接合型FETに似ている。
- トンネルダイオード (tunnel diode)、江崎ダイオード (Esaki diode)
- 量子トンネル効果により、順方向電圧をかけるほどに流れる電流量が少なくなる「負性抵抗」が現れる電圧領域を利用するもの。1957年に江崎玲於奈が発明した。不純物濃度を調整し、ツェナー破壊電圧を順方向バイアス電圧の領域にしたもの。
- トリガ・ダイオード(ダイアック (DIAC))、サージ保護用ダイオード)
- 2極(Diode)の交流(AC)スイッチということから名づけられた名称。米国GE社で開発され、交流電源から直接トリガパルスを得る回路や電子回路のサージ保護用に使用される。規定の電圧(ブレーク・オーバー電圧:VBO)を超える電圧がかかった場合に導通状態になり端子間の電圧を低下させる双方向素子である。基本構造はPNP(またはNPN)三層の対称構造を持ち、PN結合のアバランシェ効果と、トランジスタの電流利得作用による負性抵抗特性をもつ。なお、名称こそダイオードとなっているが、実際の構造・動作原理はサイリスタに分類される複雑なものになっている。
- 可変容量ダイオード(バリキャップ (variable capacitance diode)、バラクタ (varactor diode))
- 電圧を逆方向に掛けた場合にダイオードのPN接合の空乏層の厚みが変化することによる、静電容量(接合容量)の変化を利用した可変容量コンデンサ。機械的な部分がないため信頼性が高い。VCOや電圧可変フィルタに広く用いられており、テレビ受像器や携帯電話には欠かせない部品である。なお、日本ではバリキャップと呼ばれることが多いが、海外ではバラクタと呼ばれることが多い。
- PINダイオード (p-intrinsic-n Diode)
- PN間に電気抵抗の大きな半導体層をはさみ少数キャリア蓄積効果を大きくし逆回復時間を長くしたものである。順方向バイアス時に高周波交流を通過させる性質があることを利用し、空中線のバンド切り替えなど高周波スイッチングに用いられる。
- レーザーダイオード (laser diode)
- レーザー光線を発生させるもの。半導体レーザーとも呼ばれる。
- フォトダイオード (photo diode)
- PN接合に光が入射すると、P領域に正孔・N領域に電子が集まり電圧が生じる(光起電力効果)。その電圧または電流を測定し光センサとして利用するもの。PN・PIN・ショットキー・アバランシェ(APD)の種類がある。太陽電池も同じ効果を利用しているが、フォトダイオードは逆方向バイアスを印加して光電流を取り出している。
- バリスタ(非直線性抵抗素子)
- 一定の電圧を超えた場合、電気抵抗が低くなりサージ電圧から回路を保護する双方向素子である。酸化亜鉛焼結体の粒界が持つ、非直線抵抗性を利用している。
- 二極真空管
- 真空管の項参照。
- ガス入り放電管整流器
- 針状電極と平板電極を向かい合わせた場合放電ギャップでは、針状電極を負極とした場合の方がより低い電圧で放電を開始する。と言う性質を利用した整流器。
- 点接触ダイオード
- N型半導体の表面にタングステンなどの金属の針状電極を接触させたもの。その構造上、寄生容量が非常に小さいという特徴がある。ゲルマニウム・ダイオードやガン・ダイオードで用いられている。鉱石検波器も、点接触ダイオードの一種である。
- 発光ダイオード (Light Emitting Diode. LED)
- エレクトロルミネセンス効果により発光する。詳しくは発光ダイオードの項を参照。
- ガン・ダイオード
- マイクロ波(小電力)の発振器に用いられる。
- アヴァランシェ・ダイオード
- アヴァランシェ・ブレークダウンを参照
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