逆方向バイアス

逆方向バイアス時のpn接合ダイオード

アノード側に負電圧を印加することを逆方向バイアスをかけると言う。この場合、n型領域に正孔、p型領域に電子を注入することになるので、それぞれの領域において多数キャリアが不足する。すると接合部付近の空乏層がさらに大きくなり、内部の電界も強くなるため、拡散電位が大きくなる。この拡散電位が外部から印加された電圧を打ち消すように働くため、逆方向には電流が流れにくくなる。より詳しくは、PN接合の項を参照のこと。

実際の素子では、逆バイアス状態でもごくわずかに逆方向電流(漏れ電流、ドリフト電流)が流れる。さらに逆方向バイアスを増してゆくと、ツェナー降伏やなだれ降伏を起こして急激に電流が流れるようになる。この降伏現象が始まる電圧を(逆方向)降伏電圧または(逆方向)ブレークダウン電圧と言い、降伏によって急激に逆方向電流が増加している領域を降伏領域ブレークダウン領域)と言う。ブレークダウン領域では電流の変化に比して電圧の変化が小さくなる。この領域で積極的に動作させることで定電圧源として利用するのがツェナーダイオードである。